ああ、そういえば14日に出すって言ってたなあ、出さなくちゃ・・・
ん?あれ?・・・今日15日じゃないかΣ(; ゚Д゚)!? というわけで(大変)お待たせいたしました。後編です。ようやっとグレアリが申し訳程度にでてきました。 どういう事なんだ・・・orz
「だ、第八関門突破・・・!」
大荷物と疲れのせいでぜいぜいと息を切れているせいで思考が纏まっていないのか、そんなわけの分からない言葉がアリスの口から零れ出る。 右手に荷物、左手にも荷物。右を見ても、左を見ても、荷物。 もはや荷物という言葉がゲシュタルト崩壊しそうになりそうだ。アリスはそんなことを思いながら両腕のものを引きずるようにして、ようやっと塔の扉を開いたのだった。 そして、開いた。いや、開いたのは別にいいのだが。 「・・・ああ、そうだったわね・・・階段・・・」 そう、目の前に広がる光景は決して優しいとは言えない光景だった。どこまでも続いているのではないかと錯覚しそうになる階段を目の前にし、軽いめまいを覚える。 だが、登らなければゴールは見えてこない。どこか遠い目をしながら、重たい足を階段に置いてゆっくりと登り始めた。 (お、重い・・・!なんで、こんな、事に・・・!!) なんとか階段を登り切り、お次の課題は(これまた長い)廊下。ため息をつきながら再び歩き出そうとした瞬間、ふいに後ろから声がかかった。 「・・・アリス?っておまえ、そんな大荷物で何をしてるんだ?」 「ユリウス?え、えと、これは・・・」 「・・・はあ、とりあえず貸せ。お前の部屋でいいんだな?」 「あ・・・!そんな、悪いわ!これくらいなら一人でも・・・」 「そんなふらふら歩いてたら、そのうち壁にぶつかるぞ」 そう言うが早いか、ひょいと持っていた荷物を奪われてしまう。 一気に軽くなった手元と彼の手元を見比べ、アリスは口を開いた。 「あ、ありがとう・・・」 「あれ、アリスにユリウスじゃないか!・・・どうしたんだ、そんなに大荷物で?」 「エース。いや、ちょっと・・・ね」 「まあいいけどさ。丁度良かった、俺からもこれあげるよ!」 「「っ!?」」 そのエースが取りだしたものに、隣にいたユリウスまでもが目を見張る。 「え、ちょ・・・ちょっとエース?その見るからに怪しいモノは何?」 「おまえな・・・アリスを殺す気か」 「ええっ!?うーん、やっぱ熊肉は駄目かぁ・・・」 「それ熊肉だったのか・・・また私は訳のわからない謎の肉かと思ったぞ」 「そんな物貰っても対処に困るから止めて」 「うーん、でもちゃんと処理して食べると結構美味いんだぜ?・・・じゃあ、これで」 ストン、とアリスが腕にかけていた袋に何やら包装された箱のようなものが入れられる。 「何これ?」 「開けてからのお楽しみ、って事でさ」 「・・・?」 そのまま部屋へと行き、お礼を言って荷物を置いて、ようやくグレイが探せる・・・と溜息をついた時。 「アリスーーーっ!!!」 「・・・っ!??!!ナ、ナイトメア!?」 ようやく探せる・・・と思ったのに、今度はナイトメアが部屋に飛び込んできた。 「かかか、匿ってくれ!グレイがっ・・・!!」 「グレイ?」 「あっれ~、夢魔さんってばまた逃げてきたのか?」 「・・・もう日常と化してるからな」 ぼそっと疲れたかのように言うユリウスはたまに被害を被っている時がある。 「何が日常だ!・・・というかなんで2人がアリスの部屋にいるんだ!?」 「すっごい今更よね、それ。・・・荷物よ、荷物。多いからってわざわざ運んでくれたの」 溜息をつきながら説明するアリスは、すっかり失念している事があった。 遠足は帰るまでが遠足―すなわちバレンタインは、渡すまでがバレンタインだと言う事を。 「じゃあ運んでくれてありがとう、私はこれでー」 と自分が最初に持っていた袋を手に持ち、部屋を出ようと扉を開けた所で。 「あ、待ってよアリス」 「?何、エース?」 「チョコ。・・・俺にはくれないの?」 「え、」 「おいエース、お前・・・」 「!こら、ずるいぞエース!私だって―・・・」 「私だって、なんです?」 「欲しいと・・・おぉっ!?」 「あなたはどこに行ったのかと思っていたら・・・こんなところにいたんですか」 「なななっ、なんでどうしてバレたんだ!?」 「そりゃこれだけドアをおおっぴらに開けて話していたら、普通誰でも分かるだろう」 はあ、と溜息をつきながら(エースを引きずって)ユリウスは部屋を出て行くと、ほどなくナイトメアも連行(?)されていった。 「・・・にしても、すごい量だな」 「え?あ、これは・・・」 「逆チョコだろう?君は人気者だからな」 「・・・・・・」 悪い事をしているわけでもないのに、なぜこんなに悪い事をしている気分になるのだろう。 彼のいつもと違う少し冷たい声のせいなのか。 (・・・そりゃ・・・そうよね。私だってグレイが他の人から貰ってたら良い気はしないもの) なんでそんな簡単な事にも気がつかなかったのか、とかなり落ち込んでしまう。 思わず俯くと、袋を持つ手に自然と力が籠った。 (・・・頑張って、作ったんだけどな・・・) いまさら受け取ってください、なんておこがましい気がして―それを強く握ると、精一杯表情を作った。 「・・・ごめんなさい、私仕事に戻るわね」 「アリス」 名前を呼ばれた、そのいつもよりも低い声色に、思わずびくりと立ちすくむ。 「・・・っ、」 怒っているのか、それとも悲しんでいるのか。そんな簡単なことすら分からなくなって、アリスの思考は停止した。 ふと脳裏に過ったのは、昔の記憶。 関係ないと分かっているのに、そんなことはないと分かって、いるのに。 (・・・怖い) 彼が離れていくのが、急に怖くなった。 (自分勝手にも、ほどがあるわ) そう頭では分かっているのに、体が動かなくなる。視線を合わせることができなくて、思わず俯いたときに。 「・・・え、」 ふわり、と。温かな熱に包まれた。 「・・・す、すまない。怖がらせるつもりはなかったんだ」 聞こえてきたのは、少し焦ったような彼の声。 「怖がって、なんか、」 固まった喉からなんとか取り出した言葉は、自分でも酷く固いと分かるような、そんな声だった。 その声を聞いてか、ふわりと頭を撫でられる感触に、思わずこわばっていた体の力が抜けていくのが分かる。 「・・・グレイに、上げたかっただけなの、」 ぽつりと呟かれたその言葉が、グレイに届いたかどうかは分からない。 「・・・今更なのはわかってるけど、受け取ってくれる?」 「・・・君は、」 「え?」 ふ、と目の前に黒い影が差した。何をされたのかと考える間も無く、アリスは頬を赤く染める。 「・・・わざわざ、別のところに作りにいったのか?」 「だ、だって・・・その方が、良いかと思って・・・」 「・・・」 「・・・グレイ?」 「頼むから、今度は塔で作ってくれ」 「え?でも・・・それだと何を作ってるかすぐに分かっちゃうじゃない」 「むしろ作っている君を見ていたい」 「・・・・・・・・・・そ、そんなの見てても楽しくないと思うけど・・・」 「いや、飽きないしむしろその方がいいんだ。だから、頼むから他の場所で作るのは止めてくれ」 「ええ・・・?なん、」 二度、三度。 まるで甘いチョコレートのようなそれに、今度は違う意味で思考が固まった。 「・・・アリス、返事は?」 「・・・は、はい」 甘いはずなのに、なぜか脅されているような苦さを含んだその言葉の真意は分からなかったけれど。 その後、アリスがお菓子を作る際に必ず塔だけで作るようになったのは、言うまでもない。 Run a girl! For love! (走れ少女、すべては己の愛のために!) アリスからチョコがもらえなくて拗ねてるグレイが書きたかったんです(笑) しかしまさかのアリスさんの暗い思考で拗ねが遮られてしまいました。あ・・・あれ・・・?w エースは何をくれたのかって?きっとろくでもないものでしょう。(酷い
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